屋根って… 1
2017.05.11
今回のブログ担当は、現場監督の北村です。
今回からのブログテーマは「屋根」です。
家の外観のうち、外壁の次に大きい面積を占めるだろう屋根は、見た目よりも複雑で、重要な役割を持っています。
機会がなければなかなか見ることのできない、「屋根って・・・」という疑問に視点を当てていきます。
●そもそも、屋根って…何?
屋根とは、建築基準法において「主要構造部」という、建物の中でも特に重要な部分として挙げられている、建物を上から覆う構造物です。
外壁と共に、人間の生活を雨や雪、塵などのありとあらゆる物から守ってくれる存在です。
そして外壁に次いで面積の多い部分となるので外観デザイン的にも重要な部分でもあります。
●屋根って…どんな種類があるの?
素材、屋根形状共に非常にたくさんの種類があります。
素材では、瓦、スレート、金属系の3つが主な種類で挙げられます。
・瓦
主に粘土を高温で焼き上げた素材で、焼き方や形、産地などで更に細かく分類されています。
瓦全体の特徴として
・耐久性が半永久的とも言われるくらい高い。
・屋根材の中では重量が重たい。
・材料費、施工費共に高め。
ということが言えます。
特に2つ目の重量に関しては、重たければ重たいほど地震に不利なため、それを補うため、室内に壁を多く設ける必要が出てきます。
本当にいろいろな形状な物があり、施工する枚数が多いため、商品によってイメージが大きく異なります。
外観的インパクトも強いため、外壁材との相性もよく考えねばなりません。
ただやはり、瓦にしてよかったなと、思って頂ける信頼できる素材であることには間違いありません。
・スレート
「粘板岩」という、粘土が長い時間を掛けて圧縮され、硬くなったものが、薄い板状に割れる特性があったため、屋根材として使い出したのが始まりです。
現在では、天然の物はほとんど使われておらず、セメント系素材で成形されている物が広く流通しています。
「カラーベスト」や「コロニアル」というのは、このスレート系の商品名ですが、流通量が特に多かったため、素材自体の名前として使われるようになりました。
スレート系の特徴として
・瓦に比べ、重量が軽い。
・価格が安い物が多い。
・カラーバリエーションが豊富。
・表面が経年劣化しやすく、塗装や再施工が必要。
ということが言えます。
重量が軽いため地震に有利な反面、経年劣化が起こりやすいので定期的なメンテナンスを必要とします。
豊富なカラーバリエーションに加え、加工もし易いため、複雑な屋根形状にも対応し易く、デザイン的な自由度が高い素材です。
外観的インパクトは控えめなので、外壁材との相性も良いといえます。
価格も控えめなので、屋根材では一番バランスが良い素材です。
・金属系
銅板やトタン、ガルバリム鋼板といった種類があります。
住宅ではガルバリウム鋼板が主流と思われます。
近代的なデザインにしやすいので、住宅にも採用されることが多くなりました。
金属系の特徴として
・重量が軽い。
・耐水性が高い。
・熱伝導率が高く、遮熱性が低い。
・素材が薄いため、防音性が低い。
ということが言えます。
金属は重たいと思われがちですが、強度が高いので非常に薄くすることが出来るため、結果的に屋根材の中では軽い物に分類されます。
ただ、薄いがために防音性は低く、雨音が気になるというデメリットがあります。
瓦やスレートと違い、長い物を作れるので、屋根材同士を継ぎ合せる部分が少なくなり、結果耐水性が高くなります。
そのため、雨水を急速に排出する必要が無いので、平らに近いところまで緩い勾配にすることが出来ます。
金属特有の熱伝導率の高さや、防音性の低さは、小屋裏の断熱材の施工により、大きく改善されています。
直線的なデザインのものが多いので、かっこいい系、モダンなデザインに適しているので、外壁材も比較的シンプルな物と相性がいいと言えます。
屋根は、外壁と同じく、大きな面積を占めるので、素材や、グレードによって、大きく金額も変わります。
性能面でも一長一短がありますが、選択された外壁材との相性を考えることで、家の印象をぐっと整えることができます。
今一度、どんな家を目指しているのか、外壁とセットで考えて見てください。
今回は「屋根の素材別の特徴」のお話でした。
家づくりの参考になりましたら幸いです。
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