風と光の通り道・窓… 2
2017.07.14
今回のブログ担当は、現場監督の北村です。
前回は、窓の形状による分類のお話でした。
今回は「窓の設置位置による分類」です。
上の画像は、1部屋にいろいろな設置位置の窓を配置した物です。
順番に見ていきます。
◆腰窓
窓の上下に壁がある、一番標準的な窓となります。
景色を見たり、風や光を取り入れるための窓になるので、あまり決まりはありません。
しかし、2階に設ける腰窓は、(法的な規定はありませんが)落下の危険があるので、ある程度の壁の高さを確保する必要があります。
◆地窓
窓が床に接している状態の窓になります。
主にデザインを意識して、光を取り込むための窓なので、FIX窓とすることが多いです。
引違い窓や突出し窓とする場合は、開けやすいかどうか検討が必要です。
和室に設ける場合は、地窓の上に吊り押入れを設けるなどして、間接照明のように使うとモダン風味が増します。
◆掃出し窓
窓から出入りするための窓になります。
必然的に、大きなサイズで、床に近いところに設置することになります。
バルコニーへの出入りのために設ける場合は、建築基準法上、バルコニーの床の高さと同じにすることが出来ないため、一般的に20㎝程度の段差が出来ることに注意が必要です。
そして施工上、室内側にも段差が出来るため、「壁をまたぐ」必要が出てきます。
この段差はバルコニーの面積に比例して大きくなるので、どのくらいの段差になるのか、一度設計士に尋ねてみて下さい。
◆天窓
屋根をくり抜いて、天井に設置する窓になります。
「ハイライト」とも呼びます。
建築基準法の窓の採光量を計算する時、天窓は、「壁に設ける窓の3倍の採光量がある」として計算します。
実際、壁の窓と比べて、とても明るくなります。
構造上、雨漏れの可能性が上がることや、屋根を支える梁を避ける必要があるので、思った位置に設けられないことがあるなど、注意すべき点がいくつかあります。
もちろん、夜は照明が必要になるので、照明の設置位置との兼ね合いにも注意です。
◆頂側窓
天井に近い位置の壁に設置する窓になります。
「高窓」「ハイサイドライト」とも呼びます。
窓の設置位置が高ければ高い程、採光量が上がるという特性を利用した窓です。
対面している壁の低い位置にも窓を設けることで、「重力換気」という原理で換気にも有利な窓となります。
電動、オペレーターなど「どうやって窓を開けるか」もセットで考える必要があります。
また、掃除する時のことも頭の片隅においておきましょう…。
同じ窓でも設置位置によって、性能や役割が大きく変わってきます。
そして窓は、室内だけでなく、外観にも影響してきますので、いろんな角度から検討する必要があるでしょう。
柱や梁、筋交いなどの位置と被らせることも出来ないため、設計が進めば進むほど、変更が難しくなってきます。
早い段階で、「こんな感じにしたい!」という、絵や写真をお持ち頂くことで、最終的に満足頂ける家を作っていきやすくなります。
家の写真を見たりするときは、窓の位置にも注目してみてください。
今回は「窓の設置位置による分類」のお話でした。
家づくりの参考になりましたら幸いです。
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