屋根って… 3
2017.06.16
今回のブログ担当は、現場監督の北村です。
先週は、弊社研修のためお休みさせて頂きました。
前回は「屋根の構造」のお話でした。
今回は「屋根の形状」のお話をさせて頂こうと思います。
BackNumber.
「屋根って… 1」
「屋根って… 2」
上の写真には2つの屋根が写っています。
・大屋根(おおやね:建物の一番上の階の屋根)は、「切妻屋根(きりづまやね)」
・1階下屋(げや:大屋根以外の階の屋根)は、「片流れ屋根(かたながれやね)」
の2つです。
●屋根って…どんな形があるの?
屋根の形状には他にも
「陸屋根(ろくやね)」、「寄棟屋根(よせむねやね)」、「入母屋屋根(いりもややね)」、「越屋根(こしやね)」、「錣屋根(しころやね)」など、いろいろな物があります。
他にも「マンサード屋根」、「ギャンブレル屋根」といった外国発祥のものあります。
さらにこれらの屋根の派生系として
「招き屋根」、「差掛屋根(さしかけやね)」、「方形屋根(ほうぎょうやね)」といったものを数えていくと数え切れないほどの屋根形状があります。
この中でも日本の住宅によく使われる5つを3Dモデリングで上から見てみます。
・切妻屋根
両側の軒桁(のきげた)から伸びた屋根が交差するところに、棟木を据える形で、屋根の基本形となります。
棟木を中央に持ってこない物や、両側の屋根勾配(こうばい:屋根の傾きのこと)を別々にした物などの派生系があります。
標準的な形なので、どんな屋根材でも違和感なく葺けるかと思います。
・寄棟屋根
切妻屋根の4隅の軒先から、水平角45°の角度で「隅木」を入れた形です。
切妻屋根と比べ、構成する構造木材の数が多いです。
隅木のところは必然的に、屋根材を斜めにカットする必要があるため、少し手間が掛かる形となります。
上のモデルのような簡単な長方形の建物は問題ありませんが、複雑な形の建物に寄棟屋根をかけようとすると、屋根は更に複雑になり、雨仕舞が難しくなるので避けたほうが良いかも知れません。
・片流れ屋根
片方の軒桁から、反対側へ登っていく形です。
登り切り側からは軒先が少し見えるだけで、ほとんど屋根構造が見えません。
そのためすっきりとした見た目の外観を作ることができます。
登りきった後、降りていかないので、必然的に登り切り側の壁が高くなってしまいます。
少しでも高さを抑えるために屋根勾配を緩くすることが多いので、勾配をきつくする必要のある「瓦屋根」はあまり向きません。
その点でガルバリウム鋼板などの「金属系屋根」が適していると言えます。
・陸屋根
ほぼ水平な屋根の端部全てに「パラペット」と呼ばれる壁を立ち上げた形になります。
基本的には「ろくやね」と読みますが、「りくやね」と読むのも一般に浸透しているため、どちらでも構わないようです。
転じて「パラペット屋根」と呼ばれることもあります。
屋根勾配がほぼ水平になるということは、雨がすぐに排出されないということになります。
そのため、溜まった水が屋内に侵入しないよう、「FRP防水」や「シート防水」などの強固な防水施工が必要となります。
防水の施工上、防水層を平らに留めることができないため、パラペットを立ち上げて、パラペット部の壁まで防水を施工します。
防水施工は、屋根葺きに比べ金額が高いため、木造住宅の場合、大屋根に陸屋根を使うことはあまりありません。
ただ、下屋やバルコニー部分など面積が小さいところは、陸屋根とすることが多くあります。
勾配の付いた屋根に、外観デザイン上立ち上げた壁もパラペットと呼びます。
・入母屋屋根
寄棟屋根の上に切妻屋根が付いたような形となります。
切妻、寄棟と比べ、格式が高い屋根とされ、瓦が一番栄える屋根形状とも言われます。
神社仏閣にも多く用いられています。
もちろんのことながら、屋根を構成する構造材、屋根材共に多く、複雑になりますので、値段も高くなります。
鬼瓦や棟瓦など、特殊な瓦も多く使うため、お金を掛けないと逆に貧相に見える可能性もあります。
そんな特徴があるため、入母屋屋根の家が並ぶ村はお金持ちが多かった…かも知れません。
これらの屋根形状は組み合わせて使うこともできますし、建物の形も長方形だけではありません。
屋根形状の外観印象を判断するのはなかなか難しいので、ぜひとも弊社設計士にお任せください。
建物の外観は、壁材、屋根材に加え、「屋根形状」にも注目してみてください。
今回は「屋根の形状」のお話でした。
家づくりの参考になりましたら幸いです。
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